俺が唯一愛した女



「ねぇ優斗、あなたは心からちゃんと笑った事ある?」



『心から…』



「優斗の目は、優しいけどどことなく悲しい…冷たい目をしてる…そんな人間にあたしの何が解んの!?」



『……。』



冷たい目?俺が?



「そんな優斗に…あたしの気持ちなん…て…」



今まで俺に威勢良く怒鳴っていた
ミユの声がどんどん小さくなっていく。



『ミユ…?』



「……。」



『寝てるし…』



怒鳴るだけ怒鳴って
この状況で寝るか?



てゅ-かさ寝るんなら
服着てから寝てくれよ



意味解んねぇって..



『この酔っ払いが…』



俺はミユに対して


呆れてため息を吐くと
そのままベッドへ移す



『……。』



バスタオル1枚のミユに服を
着せるか着せないのか



かなり迷った結果



後で


何言われるか解らないし..



結局ミユには一切触れず
布団だけかけてあげて



「お姉…ち…あき…」



声が小さくてはっきり
聞き取れなかったけど



ミユは寝苦しそうに寝返りを打ち



" お姉チャン "と



もう1人


誰かの名前を寝言で
呼んだ様な気がした