ブーブーブー♪
ミユの足元で
図書室の床の上で
鈍く振動する携帯。
「あ…」
きっとミユの携帯だろう
ミユは慌てて電話に出る
「もしもし?」
『……。』
携帯を見てるだけで吐き気がする
格好悪いけど怖くてたまらない。
しかも
シンヤサンから借りた携帯は
未だに家で眠ってる状態で。
まだ
まだ俺自身の中で携帯には抵抗がある。
そんな中
俺はただ
ミユが電話する姿を見ていた
「…はい、解りました。ありがとうございます」
敬語で丁寧に話してたミユは
電話を切った後
大きなため息を吐きゆっくり立ち上がる。
「じゃ、あたし用があるから帰るわ。じゃあね優斗」
じゃあねってお前本はどうすんだよ
内心そんな事を
思いつつ頷く俺
結局
散らかした本は
全部そのままで
ミユは手を振りそのまま
図書室から出て行った。


