『何イラついてんだよ』
ふと
ミユの周りに散らばった本に視線が行く。
『人体構造の本…』
周りに散らばった本を
慌てて隠そうとするミユ
「用がないなら帰って!」
俺はそれ以上何も言わず
図書室から出ようとする。
「ねぇ優斗…」
『何?』
「…奇跡って信じる?」
力なく微笑むミユ
この時
ミユが言いたかった事
俺には解らなかった。
『お前は?』
「あたし?」
予想してなかったのだろう
聞き返されて黙り込むミユ
「……。」
『信じて、頑張って生きていればいつか起こるんじゃねえの?』
「え…」
『奇跡』
信じて頑張って
生きてればって
何こっぱずかしい事言ってんだよ俺
「……。」
反応のない相手を見て
言ってから後悔する俺
んなクサイ台詞今時…
自分で自分が笑える
『いや、やっぱ何でもな…』
「ありがと」
『……。』
「やっぱり優斗って変…」
突然、笑い出したミユに対して俺は
『変で悪かったな!!』
クサイ台詞の恥ずかしさで赤くなる。


