俺が唯一愛した女



『琢磨サンは今の恋愛が本物の恋愛…だと思う?』



洗い物を中断した琢磨サンは無言で俺の頬をつねる。



『痛え!!何すんだよ!?』



「バーカ、本間に好きじゃなきゃ三年も続いてねえよ」



つねるった手を離し琢磨サンは
ワザと歯を見せてにっと笑う。



本当に好きじゃなきゃ…


琢磨サンの言葉を聞いた時
一瞬優衣の顔が浮かんだ。



何で優衣?



「優斗どうした?ボーッとして…」



『いや…何でもない。琢磨サン俺そろそろ帰る、また明日来っから!』



時刻は二十三時過ぎでそろそろ日にちが変わる時刻… 俺は、携帯と煙草をポケットに入れ店を出た。



普段


人が賑わう街並みも
今日はとても静かで



電灯の明かりが俺を
優しく照らしてくれていた。



そんな中


静かな街に雨がちらつき始め、傘を持たない俺は急いでマンションに戻った。