俺が唯一愛した女



かなりの驚きぶりで…
悠は口をパクパクさせる



『驚き過ぎだろ』



「いや、働くって聞いてた奴が働いていなかった上…同じ大学でしたって…そりゃ驚くよ!」



ちなみに俺と悠は高校が別
まさか同じ大学に通っていたなんて



入学式でコイツの存在に
気付かなかったとは..



それ以上何も言わず



思わぬ再会に黙り込む俺。



「なあ優斗」



『……。』



「早く帰って来いよ」



『……。』



「みんなお前の歌を待ってる…もう十分休暇も取ったろ?」



確か..戻って来いって
章司にも言われたよな



『ありがとな』



「……。」



俺の言葉を聞いた悠は
それ以上は何も言わず



俺に対して



" 見守ってるから "
と、優しい眼差しで微笑んだ



- バサッ -



突然どこかの教室で



大量の本を落とした
そんな音が聞こえた。



「…何の音?」



『さぁな』



「まぁいいや。じゃ俺は帰るから…またな優斗。連絡待ってる」



『おう』



悠と別れた後
用事を済ませた俺は真っ直ぐ来た道を戻る。



- バサッバサッ -



まただ。



図書室から?



また


何冊か本を落とした
そんな音が聞こえた