俺が唯一愛した女



女が俺の太ももを触ろうとした瞬間



『…触んな』



俺は女の腕を掴み睨みつける。



「どうして…」



『言っとくけど、んな事しても俺はお前を抱く気にはならないからな』



「……。」



『ヤり目なら俺を指名すんな、他の男当たれ』



黙り込む女を無視して



俺は俺を待ってくれて居る
違うテーブルへ移動する為



ゆっくりと立ち上がる。



「…変な男」



『……。』



「女の方から足触らさせられて…普通の男なら手出してるはずじゃない!」



普通の男なら..か



「ねぇ何で!?何で手出さない訳?何で何もしないの!?」



女は立ち上がり俺の腕を掴む。



何でって..



俺はそこまで軽くないし
簡単に女を抱かない、そう決めた。



『普通の男じゃないから』



女は俺に微笑むとそれ以上何も言わず



お釣りはいらないと万札を数枚置いて
そのまま店を出て行った。