『いや貰えない…』
「シキ…お前何勘違いしてんだ?プレゼントはプレゼントでも誰もあげるとは言ってねえぞ」
『貸す…?』
「そう、貸すだけ。お前を支えてくれるお客サン達にお礼の意味を込めて連絡してやれ」
『連絡か…』
「言っとくけどな、営業電話やメールは俺達にとって不可欠な物。お前は営業電話やメールなしでよくここまで客を繋ぎ止めてるよなぁ」
『俺、別に特別な事はしてないけど…自分でも驚きだし!』
「ははっ♪まぁ…これからも期待してっから頑張れよ!」
シンヤサンは
そう言って俺の肩を軽く叩くと
また奥の部屋に入って行った。
開店すると同時に騒がしくなる店内
『……。』
そんな中
俺はシンヤサンから渡された
携帯をただ見つめていた。
「シキサン指名入りました」
『解った…』
今日も長い夜が始まる…
そう思うと気持ち的にダレて来る俺
「ヤバいですよ滅茶苦茶美人ですよ!」
『は?』
「シキサンを指名してる女」
美人とは…?
どうせ服や小物で着飾る派手な女だろ


