あっという間だよな
俺がここで働き始めてもう5ヶ月。
最初の頃は
聖夜サンの背中を追いかけ
仕事を覚えるのに必死で…
5ヶ月たった今では
こうして新人の男を教育している。
「じゃ、俺…開店準備手伝って来ます」
『よろしく』
「シキ」
新人が奥の部屋に
入る行くと同時に
入れ違いで出て来た
優斗サンは俺を呼んだ。
『ハルサンお疲れ様です』
「シキ、No.3入りおめでと!」
『…ど-も』
「お祝いに俺からプレゼント♪」
にっと笑う
優斗サンに手渡されたのは..
綺麗に包装された長方形の箱
『何だよこれ…?』
「良いから開けてみ!」
『え、うん…』
包装紙を破り
長方形の箱を開けて
そこに入ってたのは
『携帯…』
「当たり♪」
『……。』
" 怖い "
受話器に耳を当てると
" ごめんね " って
謝るのは俺の方なのに
優衣の最後の声が
聞こえて来そうで。


