俺が唯一愛した女



『……。』



マンションの目の前に
停車する車を見た俺は



思わず立ち止まる。



このナンバーに車の色・形



『何で…』



見覚えある



それは紛れもなく
親父の車だった..



『何で居んだよ…』



入学式、体育祭、参観日、懇談..



一度も来た事がないそんな親父が
何で俺ん家に??



卒業式来てたのかよ??



俺は無視して
車の横を通り



マンションのオートロックを開ける。



「優斗」



俺の存在に


気付いた親父は
車から降りると



俺の名前を呼んだ。



『なんだよ』



ずっと



俺の事を


邪魔者の様に言い
ほって来たくせに



今更何だよ



ふり返った俺は
親父を冷たく睨みつけた。