俺が唯一愛した女



「みんな席につけ… お、お、お…」



『……。』



勢いよく教室のドアを
開けたのは袴姿の古屋



「小上ぃ~!!!!!!!」



俺の姿を見た古屋は大興奮



卒業式で泣いたのだろう
腫れた目から更に涙を流す。



「小上… 先生の為に本当に来てくれたか!!」



古屋の為に来た訳じゃねえけど…
鼻水をたらし号泣する相手に思わず苦笑。



「まだお前に卒業賞状…渡してないよな?」



俺の返事を聞かず
涙を拭った古屋は



真剣な表情で教卓に立ち



「小上優斗!!」



『…はい』



高校3年 卒業式



俺は教室で卒業賞状を受け取った。