「春くんが居なくなってから、ご飯も食べられなくて、自分じゃ動く気力もなくて…。そんなとき、桜の木を思い出したの…。」
「桜…。」
春くんが、私の名前を呼ぶなりギュッと私を抱き締めた。
「私、春くんの分も生きようって決めたの…!春くんの分も、精一杯笑って生きようって!!」
春くんの腕に、さらにギュッと力が籠もる。
そのあったかさに、余計に涙が零れた。
「桜…ごめんな。」
春くんの胸越しに聞く言葉が、震えている。
私は春くんの胸に、いっそう顔をうずめた。
陽だまりのような、あったかい春くんの匂い。
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