「だ、ダメだよ、ライチッ!」




田中先輩、慌てて止めようとする。




「健太を丸焼きにしてやっても、いいんだぞ!」




「ひっ……!」




よわっ! 先輩、超の付く弱小!!




そんな時、凜子が2人の間に立って、




「丸焼きは、リンゴの方がおいしいよぉーっ!」




……リンゴの丸焼きって何。




そう思ったけど、面倒臭いから、声に出さずに飲み込んだ。




「凜子! お前は、田中健太をなだめろ! 俺は、ライチを止める!」




「わっ、分かった、蓮斗くん!」




「凜子……あとで、殺すぞぉぉぉっ!」




「もう、雪ちゃんに67回殺されてます!」




「……数えてるのか、凜子……。」




私は、無表情でその混乱を見ていたけれど、眉を寄せて口を開いた。