凜子を睨みつける私に、魁斗が言った。




「一目惚れだ。」




魁斗が、私の頬に手を置く。




「お前の目は、美しい……まるで、宝石のようだ。」




と、鳥肌――!!




「っは……離れろ、変態――……!!!」




私は、魁斗を突き飛ばし、追い出した。




凜子が、水を私に渡してきた。




「はい、コレ。喉乾いたでしょ?」




「……うん。」




私は、素直にそのペットボトルを受け取った。




私たちは座って、水を飲んだ。




しばらくして、落ち着いた私はボソッと呟くように言う。




「……あの、魁斗とか言う、蓮斗のお兄ちゃん……歯の浮くようなセリフを、ぬけぬけと。」




「ははっ、雪ちゃん照れて――……どあっ!」




私の投げたペットボトルを、まんまと避ける凜子。