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「――くん。蓮斗くん。起きてってば!」




凜子の声に、俺は顔を上げた。




「……あ。……ごめん。おはよう。」




「おはようじゃないよ~! 今、夕方。」




ほら! と言いながら、凜子は窓の外を指さした。




見覚えのある姿に、思わず笑ってしまった。




「ね? ……って蓮斗くん、なんで笑ってるの!?」




「いや……ちょっと、昔を思い出した。」




俺は凜子に、たくさんの事を教えてもらった。




笑う事。




楽しむ事。




それから雪には、ばれてるかもしれないけど。




俺の、この凜子への気持ちとかも……。














〝教皇〟 正位置

     『教え』