「よ、読まないし。」




「嘘つき~。本当は、読みたくて仕方が無いんでしょ?」




雪ちゃんが、困ったような照れたような顔をしている。




新鮮な、その姿に私は、思わず顔が緩む。




雪ちゃんってば、可愛いなぁ……。




意外と乙女だし。




「笑うな、バカ凜子!」




笑ってる私を見た雪ちゃんは、顔を赤くしながら去って行く。




私は、部室に1人……残されてしまった。




「……え? 2人とも、どうしたの?」




可愛くって頭がいい雪ちゃんと




女子に意外と人気で、運動神経バツグンの蓮斗くん。




私の好きな2人は、顔を赤くして去って行きました。




ちょ、ちょっと待って!




「2人とも~! 私、勇気を出して渡したんだよ~!」














〝力〟 正位置

     『勇気』