その子は、赤いリンゴとは対照的に、真っ白な肌をしていた。




白雪姫? みたいな……。




でも、少し冷たい雰囲気が、印象的。




「…………。」




その子は、無表情にリンゴを見る。




肩にかかるくらいの髪が、サラッと揺れる。




胸まである、三つ編みの私の髪は、サラッ……なんて、ならない。




「……あっ! すみませーんっ! そこのお嬢さん。お怪我はありやせんで、ございやすか!?」




パニックだった私は、意味がよく分からない言い方をしていた。




「…………。」




無言でリンゴを拾って、私にくれた。




その時、何かが落ちたんだ――……。




「あっ、何か落ちたよ。……あ、これってタロットカード?」




私が言い終えるか、終えないかの時、タロットカードが私の手から消える。




「さわん「何か、占ってよ!」




……あれ? なんか、言おうとした?