「……別に。あんたのだけどさ」




そう言って蓮斗を見れば、赤い顔でそわそわしている。




……バーカ。精々うろたえてろ、ヘタレ。




「本当! 用意してくれたんだぁー!」




嬉しそうに笑ってから、凜子は欠伸した。




「雪ちゃん……眠い」




「寝ればいいじゃん」




私がそう言えば、凜子は近くの椅子に座って机に突っ伏した。




蓮斗は隣に座ってきた凜子を見て、顔を赤くした。




……ほっとこう。




私は再び窓の外を見た。




凜子が来る前と同じ、静かな部室なのに。




何故か、居心地がいいのは……凜子が居るからかな。














〝月〟 逆位置

     『不安の解消』




Fin