「……あ! 俺“いいもの”持ってきたんだよ!」
蓮斗は突然そう言って、鞄から何かを出すのか探っている。
「何?」
「ん? みんなが好きなものじゃね?」
……やけに自信がありそうだ。
ライチは目を擦って蓮斗を見た。
でも、その目は閉じたり開いたり……。
……すごい眠そう。
そんなライチの近くで、蓮斗は「あった!」と声を上げる。
「これ! ちゃんと人数分あるぞ?」
ビニール袋を手に、ニッと笑った。
……爽やかオーラを、ふりまくな。
そう思いながら、ビニール袋の中を覗いた。
中にあったのは……赤くて、美味しそうで。
この変な占い部の部長の、トレードマーク……。