「いや〜流石雨童、冷たくて気持ちいなぁ〜」
「クーラー効いてるよ?」
「御影が20度から下げさしてくれないんだよぉ〜」
「奈裕は?」
「あいつ男嫌いだからこんなことさしてくれないし〜」
「私沸騰してない?」
「してないしてない」
なんとも気の抜ける会話をしながら六理は、慈雨を抱いたまま、寝っころがるような体勢でソファーに身をまかす。
六理が慈雨の肩口に顔を埋め、匂いを嗅ぐ。
「汗臭くない〜?」
「全然、シャンプーの香りがする♪」
慈雨の背中にまわした腕に力を入れ、六理は寝る体勢に移る。
「六ちゃん〜」
声に少し戸惑いを滲ませ、六理の肩を軽く叩く。
だが六理は反応せず、寝てしまったようだ。
「六ちゃん〜、アイス溶けちゃうよ?食べようよ〜?」
慈雨が意気揚々と買ってきたのはアイスだった。
ソーダー味の中にバニラとラムネの入った、最近の慈雨のお気に入りの一品だ。
いくらクーラーが効いているとはいえ、流石にアイスも溶けてしまうだろう。