桜花舞うとき、きみを想う



ほんの数時間も経つと、和生くんは驚くほどぼくになつき、まだ歩けないぼくの布団に潜り込んで、かくれんぼをした。

どう見てもこんもり盛り上がった布団、さらにはぼくの足にしがみつくように「隠れて」いるが、本人はいたって真剣だから、ぼくも張り切って相手をした。

とはいえ、見つけられない振りをするのはひと苦労だった。

「どこかなあ。おーい、カズくん」

言いながら布団の上から彼の体をまさぐると、きゃっきゃと楽しげな笑い声が聞こえた。

「ここか!」

ばっと布団をめくり、頬を紅潮させて笑うカズくんを、

「見つけたっ」

と、あまりの愛らしさにそうしたい衝動に駆られ、抱き締めた。

ぎゅうっと抱きしめられた彼が、かわいい奇声をあげたときには、ぼくはもうへとへとだったが、きみとふたりで遊んだ幼い日々を思い出し、楽しかった。

もっと遊んでおくれとせがむカズくんを、

「調子に乗りすぎてはいけませんよ。中園さんがお疲れになるから、もうこちらにいらっしゃい」

と夫人が連れて行ったときは、どうにも離れがたく、寂しく思った。