「あの、自分は……」
そう発したぼくの声は、ひどく掠れていた。
さらに、もう一度起き上がろうと試みるも、頭を上げた途端に激しいめまいに襲われた。
起き上がることすらままならない状態で、目を閉じ眉をしかめていると、
「動いてはいけませんよ」
また女性が言った。
「詳しいことは聞いておりませんけど、沈没した軍艦の近くに浮いていたのを、お仲間が助けてくだすって、あなた、そのまま5日も眠っていらしゃったのですよ」
枕元で、ちゃぽちゃぽという水の音がした。
「最初は入院していたんですけど、すぐに病室の寝台が足りなくなってしまって、うちの人が引き取って来たのが3日前です」
額に、冷たく柔らかい手拭いが乗せられた。
ひんやりしていて、気持ちよかった。
(うちの人……)
ここが病院でないことは一目瞭然だったが、個人宅に引き取られているとは、少しばかり驚いた。


