その人は、軍服ではなく、寝巻きのようなものを着ていた。
何よりも目を引いたのは、顔を覆うほどのガーゼと、寝巻きの隙間からのぞく、ぐるぐる巻きにされた包帯、そして腕のギプス。
それは、ひと目では誰なのか判別できないほどだった。
けれど、包帯に覆われた大きな体が、明らかにその人物を物語っていた。
(磯貝さん……!)
ぼくは言葉を失うほど驚き、目を見開き口をだらしなく開けたまま、その、磯貝さんと思われる人物を凝視していた。
ガーゼの隙間から小さく覗く目がぎょろりと動き、ゆっくりと烹炊所を見回すと、その視線はぼくのところで止まった。
「よう中園、見てくれよ、こんなになっちまった」
痛々しい見た目とは裏腹に、磯貝さんの口ぶりは明るく、それがかえって不気味だった。
「磯貝さん、動いたりして大丈夫なんですか」
ぼくは、烹炊所内の全員の視線を一身に浴びていた。


