その日の深夜、同室の仲間たちはすっかり寝静まっていた。
ぼくは寝台を這い出て、ひとりひとりが本当に眠っているかを確かめると、微かな物音も立てないよう気をつけながら、部屋を出た。
深夜とはいえ、もちろん乗組員全員が寝ているわけではなく、部屋の外には数人が行き交っていた。
機動音は相変わらずうるさかったが、それでも昼間に比べると、薄暗い艦内はしんと静まりかえっていた。
ぼくは彼らに姿を見られないよう、烹炊所で使う野菜や肉、缶詰などが置いてある保管庫を目指した。
きっとその近くにあると踏んでいた。
ぼくが探している部屋が。
(ここだ……)
食料保管庫の前で、ぼくは左右を確認した。
誰もいないことを確かめ、保管庫の扉に手を掛ける。
心臓の鼓動が早まるのを感じた。


