……そんな、優しい人なんだよ」

真剣な顔でそう話す拓斗を、花音は目を潤ませながら見つめていた。

「……拓ちゃん、私がまちがってた……龍太郎先輩は、ウサギに優しい、いい人なんだね……」

花音はたまらず、椅子に腰掛けていた五所川原を抱き上げ、ぎゅうっとしがみ付く。

「花音、分かってくれた?」

拓斗はほっとして笑顔を見せた。

「私、ちゃんと龍太郎先輩にあやまるね……」

「うん、そうして」

笑顔の戻った弟と妹に、和音はふっと笑みを零す。

「さあ2人とも。オムライスもスープも冷めないうちに食べるといいよ」

和音の声に、拓斗と花音も椅子に座りなおし、スプーンを手にした。

「はい、いただきます!」




この後、新たな『龍太郎伝説』が誕生したとか、しないとか……?








「……オイ、拓斗。おめぇの俺に対する認識、間違ってんぞ」

「ううん、間違っていないよ(キラキラ)」