パチパチ――… 瞬きを繰り返す。 見えている世界を焼き付けるかのように、 ゆっくりと。 その瞳に映るのは、 中学校の門、 緑いっぱいの木々、 真新しい制服達。 私もその中に混ざって、まだ着慣れない制服に身を包んでいる一人。 『ん〜っ…いい天気でよかった♪』 大きく深呼吸。 緊張気味の気持ちを落ち着かせると、 笑顔を浮かべて。 新しい毎日への一歩を、 力強く、踏み出した。 …そこに聞こえた、私を呼ぶ声。 「愛璃ちゃん!」 ゆっくり、振り向く。