君へ、約束の歌を。<実話元>



『やった〜!』


「さっきのお返しだよ〜」


「くっそー!
俺もでかいのつくってやるから覚悟しとけよ!」


「きゃぁ〜逃げろ〜!!」



達哉君が雪をかき集めだしたのを見て、
真奈ちゃんが私の手を引いて逃げる。


「待てっ」とか聞こえた気もしたけど…



私達は店の隅の陰に隠れて、座り込んだ。



『疲れた〜!けど、楽しいっ♪』


「ほんと!さっきの達哉の顔、爆笑だし!」



二人で顔を見合わせて噴き出すと、向こうで雪合戦を続けているみんなを見ながら、お喋りをした。



『なんか…幼稚園卒業しても、こうやって集まれるっていいね』


「そうだね〜。
まさかこんなに集まれるなんて思わなかったけど」


『企画してくれて、ほんとありがとね!』


「どういたしまして!」



真奈ちゃんが、にっこり笑う。


走り回ったことで上がっていた息を整えるように、大きく息を吐きながら二人無言になった時。