君へ、約束の歌を。<実話元>



「お返しっ!」


『きゃ〜!!』



逃げて、投げての繰り返し。


気付けば周りは雪玉が飛び交う混戦状態。


みんな、わぁわぁきゃーきゃー叫びながら雪を投げてる。


雪の欠片が舞って、辺りを白い霧が包んでいるかのよう。



雪合戦のルールとかって、あるのかな?


チームに分かれたりも何もしてないし、
勝ち負けがつく勝負でもないけど。


みんな幼稚園の頃に戻ったみたいに、
無邪気にただ雪を投げたり走ったりしてる。


同窓会最初の緊張してた雰囲気なんて、
もうどこにもなかった。



「愛璃ちゃん!
特大の雪玉つくって、達哉にぶつけよう!」


『いいね〜!賛成!』



真奈ちゃんに誘われて、隅に隠れながら二人でゴロゴロ雪玉を転がして、雪だるまに使うような特大の雪玉をつくった。



二人で持ち上げて、そーっと達哉君の後ろに近付く。



「「…せーのっ!!」」



――ドンッ…



「わっ!つめてー!!」



私と真奈ちゃんの特製雪玉は、
達哉君の頭に見事直撃。