君へ、約束の歌を。<実話元>



「俺はサッカー選手!
幼稚園の頃から変わってねぇなぁ」

「俺は学校の先生になりたい!」

「あたしはバレエの先生〜」



…いよいよ、私の番に。



『私は…ピアニストになりたい!』



小さい頃からピアノが大好きだった私は、単純に“ピアニスト”という職業に憧れていた。


ピアノが好きな女の子だったら、誰もが一度は口にするような、そんな将来の夢。



「あ〜愛璃ちゃん、ピアノ上手だもんね。
幼稚園の頃もよく伴奏やってくれてたの覚えてるし」


「きっとなれるよ〜!」



祐ちゃんやみんなが賛同してくれたのが、嬉しかった。


次は…祐ちゃんの番。



「オレは…
美容師になりたい、かなぁ…」



知らなかった…


将来の夢なんて、話す機会なかったし。



『じゃあ祐ちゃん美容師になったら、私の髪切ってね』


「おぅ!まかせといて!」



頼もしく微笑んだ祐ちゃんに、私も笑顔を返した。




みんな夢を言い終わって、
デザートも食べ終わって。


そろそろお開き…という時に、
窓の外を見た私の目に留まったもの。