きっと、傍から見たら変な光景だっただろうなぁ…
当然こんな時間に人なんていなかったから良かったけど。
『着いた〜っ!!めっちゃ疲れた…!』
「ほんと!息切れするし…!」
二人とも大きく息をつく。
…でも、部室棟は2階建て。
しかも陸部の部室は2階にあって、階段を上るのがもっとキツかった。
暗くて手元がよく見えない中、急いでカギを回して扉を開ける。
真っ暗な部室の中、扉を開けたことで少し差し込んだ薄闇と月明かりが、
見慣れたスパイクの山を浮かび上がらせた。
「うちらのスパイクは…
これだよね!?」
『ラッキー!
すぐ見つかってよかった♪』
大会に出ない子は置いてってるからたくさんあって焦ったけど、
幸運なことにすぐ見つけられた。
「よっしおっけー!早く早く!」
『あっ待ってよ亜美!』
また急いでカギをかけて、
階段を飛び下りるように走って。