君へ、約束の歌を。<実話元>



死んでしまったら終わり。



終わりたい、

終われるからいい、

のではなくて。



終わっちゃダメだから。


終わらせちゃダメだから。






『…祐ちゃん』




君は、覚えてる…?




『約束、果たしに来たよ』





…あの夏の終わりに、交わした言葉。


胸の奥にずっとつかえていた、想い。




『一緒にカラオケ行くのは、できなくなっちゃったけど…』




私の歌声を、

好きだって言ってくれたから。


君に、聞いてほしい。




『遅くなってごめんね』




しゃがみ込んだまま。


手は墓石に。


視線はまっすぐに。




『聞いて、ください…』





――すぅっ…





『…〜♪…〜♪〜…』




そっと、

小さな声で歌い始めた。


ZONEの「secret base〜君がくれたもの〜」