君へ、約束の歌を。<実話元>




涙を堪えて、唇を噛んだ。





胸が熱い。






墓石の名前の彫り込み線を、


そっと指でなぞった。





白い線が目に痛くて。






視界がだんだんぼやけてくるのと同時に、



すぅっと大きく息を吸った。







『…信じてほしかったの』





自己満足かもしれないけど。





『…相談してほしかったの』





頼りなかったかもしれないけど。





『ずっと、今でも…

大学とかで離れたとしても…




“友達”って一生もんじゃん?』






心は離れることがない絆だって、

そう思ってるから。





『…私ね、本当にA大学行けることになったんだよ。
びっくりでしょ?』




あの頃何気なく話してた大学の話が、
もう現実へと形を変えるほど、
時が流れた。