例えば祐ちゃんのように。
悩みを抱えてる人の目線に並ぶことは、
すごく難しい。
…でもだからって、
諦めることはしたくないんだ。
悩んでる人を救う手助け、
なんて
かっこつけてるけど。
憧れるだけなら…
いいよね?
――…次の日の授業後。
『友華〜部活行こっ!』
「うん、行こ〜!
…あっ!掃除あるんだった!
ごめん愛璃、待ってて?」
『おっけー♪
じゃあここで待ってるね』
掃除場所へ向かった友華を待ってる間、教室の窓からグラウンドを眺めていた。
『…あれ?!』
こっちに近いグラウンドの隅で、
高跳びをやってる先輩がいる。
なんで…?
うちの学校、陸部に高跳びないって聞いたのに…
すっごく気になった私は、ちょうど教室にいた陸部の女の子に聞いてみた。
『うちの学校って、陸部で高跳びやってないんだよね?』
こくり、と首が縦に振られる。
