君へ、約束の歌を。<実話元>




…5月2日。


授業後にいつも通り部活を終えて、亜美を除いた陸部3年女子全員で門まで帰った。


門からは私だけ別方向だから。


…亜美は先に帰ってた。



『じゃあまたね!また明日、部活で〜!』



みんなに大きく手を振る。



「ばいば〜い!」

「気をつけてね〜愛璃」

「お疲れっ!」

「また明日ね」


「愛璃ちゃん気をつけて帰ってね〜。
また明日!ばいば〜い!」



最後に響いた祐ちゃんの声。


私に向かって手を振る祐ちゃんの姿。




…今でもこの瞳に焼き付いてるよ。



私が祐ちゃんの姿を見たのは、
これが最後だったなんて、



信じたくないのに―――…








…その日の夜、寝る前。



『…よしっ』



私は、祐ちゃんにメールを送った。



【明日、何時に部室行く?
亜美と一緒にやるのは気まずくてやだから、祐ちゃんと一緒にやりたいんだけど…
行く時間合わせない?】