君へ、約束の歌を。<実話元>



その後ちょっとして亜美が来たけど、やっぱり私達と目を合わせてはくれなくて。


勇気を出せば、身にまとった重たい空気を取り去ることはできたかもしれないのに…


私はその時、まだ何も行動に起こせなかった。


…「起こせなかった」なんて甘い言葉は、自分を守るための言い訳にすぎなくて。


本当は、「起こさなかった」んだ。



…私は亜美の姿を見つめながら、大丈夫、きっといつものことだよ、って何度も自分に言い聞かせてたんだ――…








――…4月の終わり。


部活が始まる前に、部員全員が集められて5月の予定表が配られた。



『そっかぁ、5月はゴールデンウィークがあるんだよね!』


「…でも今年って3日間だけなんだ〜少なっ!!」



今日も私の隣には、祐ちゃん。


亜美は、少し離れた所に座ってる。


3年女子は今、私と祐ちゃん、亜美、トラック競技の4人、って感じに分かれてしまってる。


亜美のことが気にならないわけなかったけど、いつもの亜美の癇癪だと、話し掛けても返してもらえなかったりして傷付くのは自分。


様子見るしかないよねって無理矢理自分を納得させてた。



『今年のゴールデンウイークは3日〜5日…ちょっとだけだね』



3日と4日は部活があって、5日は休み。

6日からはもう、普通の学校の日々が復活する。