この作戦を立てたアランは、ベッカーとアンダーソンの会話をP2で聞きながら新たなプランを頭に描いていた。



それを口にしたのはベッカーとの通信が切れた直後だった。



『クロウ。クイーンバリーの稽古場に潜入して来てくれ。』



お馴染みの非道なミッションに右京は異論を唱える気にすらなれなかった。



『はぁ…Okay…で、いつ?』



『今夜。』



『今夜って…もうすぐ夜なんだが…』



だから?と言いたげに眉を動かすアランにさすがに『あのな…』と不満を口にした。



『今日は忍と約束があるんだ。ここ最近あんま相手してやれなかったから“家族サービス”ってヤツ?』



『それはいいアイデアだ!感心感心。だったらさっさと仕事すませるべきじゃないか?』



『………』



全く折れる様子のない彼に右京は助けを乞うようにクリスを見た。