。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




「回送中悪かったね。車庫に行く前に寄り道してもらって」


トラックドライバーに話しかけると、


「私はこう見えても善良的な乗車客なんだ。


これで足りるかな」


白へびは長財布から万札を数十枚取り出した。


「へ!?」


トラックドライバーが間抜けな声を出して振り返り、


「修理代だ。乗せてくれてありがとう。


ああ、それとも夜間特別料金発生する?」


白へびが聞いてきて、ドライバーは慌てて首を振った。


「へ!いやぁ!!」


それでもその万札を素直に受け取りながら、


「……面白いお客さんだね」ドライバーは苦笑い。


「あんたも。


面白いタクシードライバーだった」


白へびはニヤリと笑って、


「悪いけど、途中下車させてもらうよ」


「へ!ちょっと兄ちゃん!途中下車って!」


と慌てるトラック運転手の言葉を聞かずして白へびはドアを開けると


「どーも♪釣りはいらないよ」


にこやかに笑って


ひらり



トラックを飛び降りた。


トラックのサイドミラーを慌てて見ると、見知らぬ男はしっかり着地したようで、両ポケットに手を突っ込みながら



ゆっくりと起き上がっていた。





「ご、ご乗車ありがとうございます。またのご乗車をお待ちしてます」





ドライバーは誰に言うわけでもなく万札を握り締めて、辛うじて言えた自分の軽口に


「ははっ…」と力なく笑った。





「なん………なんだったんだ!あれはーーー!!」






トラック運転手の叫び声は、静かなゴーストタウンに響き渡った。





□ ■ スネークと白へび ■ □