今の自分の気持ちも複雑すぎて、よくわからなかった。
裏切られたという絶望感にも似た気持ちと
これで私も自由な恋に羽ばたける、と言う安心感のような気持ち。
真相を突き止めるのがいいのか、
見て見ぬふりをする方がいいのか。
心に小さく開いた穴のような物は、まだ夫を愛していたんだと私に実感させた。
愛していないわけがない。
愛していなければ、こんな生活続けられない。
夫は問い詰めてもうまく誤魔化すだろう。
仕事柄、口が達者で、頭の回転も速い。
私は時計を見上げた。
夫は10分経っても戻っては来なかった。
時間を計ることが辛くなったので、私はお風呂に入った。