狭いトイレの中で 涙が出るほどの感動を味わった。 ここから 飛べる? 私は、この窓から外へ出て、 羽ばたいてもいいの? 息ができないくらい胸がドキドキしていた。 たったそれだけのことに 罪悪感も感じていた。 返事を返せないまま、 私は窓の外を見つめていた。 規則正しく並ぶ街路樹が 私を責める。 リビングから私を呼ぶ声がする。 私はドキドキを隠すかのようにトイレの掃除を始めた。 磨いても磨いても その手を止めることはなかった。