一歩踏み出した足を、 そこで止めるか、 そのまま走り出すか… 理性と欲望が喧嘩し始めた。 頭の中では さっきお義母さんに言われた言葉や 夫からの冷たい一言が 繰り返し思い出された。 心は決まっていた。 ただ、言い訳が欲しかっただけ。 道を少し踏み外すには、それを正当化するだけの理由があった。 【私を支えてくれますか?】 私の送ったメールの返事は 1分以内で返って来た。 それは ハートマークひとつだけだった。