冷蔵庫から、お義母さんの好きなクリームパンを出し、日本茶を入れた。 私はコーヒーが飲みたい気分だった。 さっき私が座っていたソファはお義母さんに奪われた。 夫があげた花柄のパジャマを着た丸い背中を見ると、何も言えない。 もう年寄りなんだ。 いつも、その背中に救われた。 私の心に芽生える悪魔のような気持ちを、その背中が消してくれた。 憎しみも苛立ちもその瞬間だけは、忘れてしまう。 小さな背中。