どこかで期待していた自分がかわいそうになり、涙が溢れる。 最初に会ったあの日、田所さんが座っていた席を見つめた。 あの席に座り、窓の外を見つめていた田所さん。 寂しい気持ちでつぶれそうだった私に、甘い甘いブラウニーをくれた。 夢だったの? 幻だったの? 私に、女であることを思い出させてくれた田所さんは、 私の前から姿を消した。