「お酒強いね!2軒目行く?」 夫は、酒に酔った先輩の目を盗んで私に声をかけた。 グレーにスーツに、黄色のネクタイだった。 仕事用の声しか知らなかった私は、普段の夫の声に興奮した。 別人のように、色気のある話し方で、誘い方もうまかった。 その時、女に慣れているだろうと感じた直感は当たっていた。 夫は、その当時結婚を迫られている彼女がいた。 その彼女と、ドラマのような奪い合いをした結果、私が夫を手に入れた。