トイレのループ窓を開けると 澄み渡る青い空と街が広がっている。 誰かここから連れ出して。 葉を失くした木々が等間隔に並ぶ。 その奥にそびえ立つ高層ビル。 遥か遠くに見える山々には 雪が積もっていることだろう。 ここからは その白が雪なのか空なのか 判断できない。 日当たりの悪いこのトイレの中だけが 心から休める場所。 ここからの景色だけが 私を現実から連れ出してくれる。