口から白い吐息が零れた。



寒空の下、俺――、朱染(シュゼン)は一人の少女の前に立っていた。



彼女は雪が積もる地面に膝を付け、見上げるように俺を見ている。



「俺は朱染。俺を呼んだのはお前か?」



「そうよ…。本当にいたのね…、悪魔」



彼女は少し怯えたように、声を震わせながら呟いた。