恋に焦がれて迷走中

ゴ-ルデンウィ-クのお台場は


沢山の人でごった返していた。


ハチタマの展望台に登り



スタンプラリ-をしながら見学して回る。


スタジオではアイドルが収録をしていてスタジオ前では


身動きがとれないほどで、


人波に流され


悠斗とはぐれてしまった。


こんな風に知らない内に流されて心も離れてしまうんだ。


と思ったら切なく胸が苦しくなった


「悠斗。悠斗いなくならないでよ。」


壁に寄りかかったまま、止まらない涙をハンカチで押さえた。


気が付いたら収録は終わって、人の波はすっかり引いていた


ひとりぽつんと残されたわたしは、嗚咽をもらした。




「岬~大丈夫か?」


悠斗が戻ってきた。


「参ったよ、かなり下までエスカレ-タ-でおろされてしまったよ。


 岬がここに残ってくれてよかったよ、はぐれたかと思った。」


「悠斗、、置いていかないで。」


「ごめん岬、え、泣いてるの。」


「手を離さないで。」


「岬。」

あたしたちは、ずっと手を繋いで歩いた


時間が二人を分かつまで離れる事のないように。



心の中で時間が止まってしまえばいいと願った。