恋に焦がれて迷走中

香ちゃんが教えてくれた

チキンカチャトラはレンジでもできちゃう優れもの

おかげで10分もしない内に出来上がった。


タッパ-に詰めて病院へ向かう。


料理を教えてもらってはそれを持っていくなが、日課のようになっていた。


ノックすると、


「おうっ。」
といつもの返事が返ってきた。

「ちゃんと大人しくしてますか?」

と声を掛け固まった。


日和がいた。朝のやり取りがフラッシュバックした。

そういうことか。


「ひよ、来てたの?」

「うん、岬もお見舞い?」

「まあね、差し入れに。はい先輩約束してたものです。」

あたしは、長谷川の顔を見ずに紙袋を押しつけると、


「私、今日は用事があるからサヨナラ。お大事に。」

「お、おい岬!」


私は、そのまま回れ右をして病室を後にした。