香ちゃんはさっさと大学へと出勤してしまい あたし達は二人きりになっていた。 あたしが帰郷の準備をしている後ろで先輩は腕を組んでみていた。 「先輩大丈夫だから。帰ってください。」 「駅まで送る。」 長谷川は頑なに譲らなかった。 「やっぱり帰るのか?実家。」 「うん、帰らないとうるさそうだから。 8月はバイトも入れたしこっちで過すつもり。」 「行かせたくないな。」 後ろからから長谷川があたしをギュウっと抱きしめる 背中に昨日の夜感じた温もりと心臓の音を感じて あたしは、動けなくなる。