「家に居座るニート妖怪が言うことやない」
スパンっ、とまな板の鯉らしく綺麗に頭が離れた溝出。
ごろんと歪な丸が転がり、それを玩ぶかのように冬月は土踏まずで傾けた。
「さて、このまま重石つけて、屋上から落とそかぁ?それとも土に埋めて、自然に還るまで放置するか。なんなら、あんさんがだーい好きなテレビをあんさんの頭でかち割るのもええねぇ」
処分するブラウン管テレビがあったかと、テレビを崇拝する溝出にとっては「落とされた方がましだっ」と絶叫しそうなものだが。
「ん……?」
いつもの耳障りな声がなかった。
「死んだフリどすか?今さらなにを。どの骨切り離そうが、あんさんが死なないのはもう確認済みどすえ。下らない真似するんやない」


