「あんさんをどうしようが僕の勝手。さて、今日は何して遊ぼねぇ」


所詮は、溝出。人権などないと、今日もまた冬月なりの“遊び”があるのかと、歯をカタカタ鳴らした。


「や、あ、あの、は、腹がいたくて、きょ、今日は、帰りたいとおも」


「骨だけのあんさんに腹なんかありまへんわ。さあ、持ち運び易いように、首骨スパンといきましょか」


抜かれた刀。
妖怪切りにおいては真価を発揮する稲光が、溝出に向けられた。


簡単に切れることだろう。いつもと同じ、切られた後に、頭だけを小脇に抱えて、蹴飛ばすなり、ゴルフボールにするなりと遊び始める。


――ただ。


「ま、まてっ、冬月!なんか、変だっ、胸がざわつく!」


「あんさんにざわつく胸などありまへん」