さらば、ヒャッハー



「つーか、わたるんは、こんな本なくても直に抜けるから要らねえんじゃね?お持ち帰りしちゃって、まーまー。わたるんも大人なんねぇ」


「分かっているくせにわざわざ煽らないでくださいよ」


まったく、と渉が肩越しから後ろ――背負う阿行を見た。


おぶさり娘こと阿行、学内だけの怪異ではなく、こうして人におぶさればどこにでも行ける。


此度は渉で移動。
来る途中で眠ったらしい、小さな寝息が首筋から伝わってくる。因みに顔文字お面も(^-ω-^)Zzz..で、寝ていることを自己主張している。


「おい、てめえ!なに、俺様の幸せを呼ぶろりっ子をお持ち帰りしてんだ、おおうっ!人様の女に手を出すってことは、東京湾に沈められたいんか、われえぇぇ!」